『経験の意味世界をひらく ―教育にとって経験とは何か―』

もう7月も終わりですね……。

デューイの訳などで有名な市村先生の退職記念の本。まだ飲み込めてないところが多いですが、矢野先生のところと柳沼先生のところは結構面白かったです。あとはキルパトリックの話も結構参考になりました。オルコットなんかは全然知らなかったので、こういう実践があるんだなあという感じでした。

もっとデューイのことが知りたくなりましたが、上手く自分の研究に結びつくところに着地出来るかどうか……まあでも焦ってもいけませんね。

『もういちど読む山川倫理』

読みました。思っていた以上に西洋の思想を一通り押さえることが出来てびっくり。ほぼほぼ聞いたことのある名前の人は押さえられたかなと思います。

受験生だった頃は現代社会選択でしたが、センター科目の公民にそれほどたくさん時間をかけるわけにもいかず、基本は問題集と参考書だけで勉強していました。でもこうやって余裕がある時だったら、なんだかんだ教科書が詳しくかつ簡潔に書かれていて読みやすいんじゃないかなと思いました。でも教科書にしては説明が厚い印象を受けたのですが、実際の倫理の教科書をどれくらい加筆してるんでしょうね。気になるところです。

人生がときめく片付けの魔法

久々の書評でござい。

といっても特にすごく目から鱗みたいなことが書いてあるわけでもなく、まあだからこそ良い本だったというか。
捨て終わる前に収納するなってのはすごく感心しました。魔法がどうたらこうたらはどうでも良いのですが、これからもちょくちょく参照してみようかなと思わされました。

ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」/夏目漱石「坊っちゃん」

アルジャーノンは訳が上手いなと思った。実際こんな風に頭を良くすることって可能なのかな。もし出来たとしてもやっぱりこういう風に精神と同期が取れなくなって破綻してしまうのかな。頭が良くなったことによって身についてしまった傲慢さや人を疑う心を引いたとして、本当に彼にとって手術は良かったことなのか?そして退行した後のチャーリイは元のチャーリイとは似て非なるわけで、その点もどうなんだろうか。と、答えが出ないくせに様々な問いかけが心の中でわき起こる、難しい話でした。

坊っちゃんは・・・・・バイトで愛媛の話をするのに、そういや坊っちゃんきちんと読んでなかったなあと思って読んだ。坊っちゃんの気っぷの良さ、まっすぐさが伝わってきた反面、解説にも書いてあったように最後には彼の孤独も垣間見える不思議な作品だった。山嵐との掛け合いとか面白いし、文体は森見登美彦のような現代の小説家や漫画家にも通じるような、ちょっとおもしろおかしい皮肉がちりばめてあって楽しく読めた。

次は「しろばんば」。その次は「阿Q正伝」が読みたい。

瀬尾まいこ「幸福な食卓」

今日借りてきたのにもう読み終わってしまった。

最初の方は、なんだありきたりかそれ以上に陳腐な恋愛小説かちくしょうと思ったのですが、最後の最後で大どんでん返しでした。そしてこの小説は決して恋愛小説なのではなく、家族を描いた小説だったんだってことに改めて気付かされます。

大浦くんの存在は佐和子の中でとても大きく、彼女自身家族なんかよりも大事な存在だって思ってしまっている節があったけど、むしろ家族の代わりこそいないんだってことを伝えたヨシコのシーンは印象的だったし、それを受け止めて12個のシュークリームを食べる佐和子っていうのもギャグ混じりだとはいえ、前に進むんだなという感じがした。最後の大浦くんの弟との別れのシーンもまた印象的だ。佐和子の印象は良くなかったけど、むしろヨシコの方が家族らしさを備えてる気がするな。最後まで「幸福な食卓」というタイトルにピンと来るとはないんだけど、それは幸福の定義が難しいのと同じで、やっぱり難しいんだろうなと思う。

うーん、でも結構量と語り口の割にはずしっとした小説でした。久々にうるっと来た。北乃きい主演の映画版も見てみたいな。借りてこようかな。

森見登美彦「四畳半神話大系」

アニメ化もされた有名な作品。パラレルワールド物を読んだのは実は初めてかもしれない。
一言で言うと、かなり面白かったです。
夜は短し、の時あんまり面白いと思わなかったので、あんまり期待してなかっただけに、結構衝撃的でした。

どのサークルを選んでも小津と友人になり、明石さんと結ばれるという運命は、幸か不幸かはともかくとして、実は結構自分たちについても言えるのかなーとか思ったりします。選択が違えば、微妙にストーリーは違うけど、それでも案外変わらない部分って結構あるもんなんだなって。

最後主人公が気付くのも良かった。丸々コピー話だったらやっぱりそういうことに気がつかないまま終わるのかなーと思ってた。
アニメも興味出てきたなー。

シアター!

最近有川浩の作品がどんどん文庫本化してるせいで、この作品もてっきりハードカバーから文庫本化されたものと思ってたらなんか書き下ろしっぽいだと言うことをようやく知りまして、読んだ次第です。

劇団っていう設定は確かに珍しいなーと思いましたが、この頃はフリーターだのおっさんだの植物図鑑だの、むしろ軍隊もの?の比率が下がってきているので、それ自体はおかしなことでもないですね。話自体は面白かったです。ちょっと登場人物が多くて、男性陣の把握に困惑したくらい。

結末はぶっちゃけ微妙に感じました。ただそれを差し引いても、司と巧の信頼関係、司とシアターフラッグの信頼関係は読んでいて小気味良かったです。どうやら1月に舞台になるらしく、その頃を見計らって続編鋭意執筆中とのことで、是非とも楽しみに待とうと思っております。

スープ・オペラ

一昨日ようやく読み終わりました。なんだかんだで1週間かかった。塾員・阿川佐和子の著書。
といってもそういう関係で読んだわけではなく、坂井真紀主演で映画化してるので読みました。

まあなかなか僕らの考えからかけ離れた本なので難しいものではありましたが・・・・・ただまあ平和に穏やかにやっていくように努力する?みたいなところで、それ町と似たようなものを少し感じました。というかこんなに壮大な話なのに、よく映画化出来たなあ・・・・・細かい話をす飛ばせば、そんなに長い話でもないっちゃないけどさ。

最近電車の行き帰りに本を読むのがプチマイブームになっています。この先は、シアター!→四畳半→ブレイブストーリーみたいな感じで進んでいこうかと思っています。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」

気が遠くなるほど昔から森見登美彦の存在は知っていて、気にもかけていたんだけど、なかなか読む機会がなかった。

好みが分かれるという評判は前々から聞いていて、それでも自分の周辺では割と評価が良い感じでした。僕個人の感想としては・・・・・文体自体は正直好きな方ではないです。ただ、それを我慢して読むと面白いところもなくはないと言った感じでした。有川浩みたいに、読み進めるのが惜しくなるくらいすいすい楽しく読めるものではなかった気がする。結構冗長に感じた部分も多かった。もちろんそれが好きな人もいることは理解出来る。サークルの同期も、言葉遊びしてる感じが好きだと言ってたし。

4つのエピソードから成っていますが、僕は3つめの学園祭の話が好きでした。次が古本市、風邪の順で、この本のタイトルにもなっている一番最初のエピソードが一番面倒だったように感じた。ちょっと読み進めるのには努力がいるけど、他の作品も暇があれば読んでみたいですね。

末次由紀「ちはやふる・八」

6・7巻の感想とか書いてなかったね。まあいいや。

クイーン位挑戦者をめぐる戦いと、クイーン決定戦の巻でした。「敗者の一年が始まる」っていうフレーズ、すごいビビッと来ました。
クイーン防衛戦・・・・・若宮クイーン太りすぎです。いよいよ次集では周防名人登場ですね。楽しみです。

決まり字と競技ルールが分かるとなお面白いもんだね。
あと、相変わらず肉まん姉のセンス分からんw

津村記久子「ポトスライムの舟」

言わずと知れた芥川賞受賞作。「ポトスライムの舟」と「十二月の窓辺」の2作が収録されています。

ただ・・・・・「ポトスライムの舟」最後まであんまりどうという感想を持つこともなく読み終わった感じ。「君は永遠に~」はもっと面白く読めたんだけど・・・・・。
読んでて悪い気分はしなかったんだけど、どこに着地していいかよく分からなかった。

「十二月の窓辺」の方は読んでてすごく気が押されるというか、胸が苦しくなるような展開なんだけど、まだ「ポトスライムの舟」よりも話としては読みやすかった気がした。

次は森見登美彦の「夜は短し~」を読みます。多分。

津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」

東進のセンター模試で出会ってから気にかかっていた本。
主人公はユーモアあふれる語り口で面白い。周りの人が結構面倒な感じで、それが渦巻くんですね。センター模試で出されていたのは、まさにクライマックスのところでしたね。

なんかでも、一回読んだだけだと主人公が分かるようで分からない感じだった気がします。機会を見て再読したいですね。

あずまんが大王 1年生 新装版

言わずと知れた4コマ漫画の殿堂ですね。受験終わってから、ということで9日に買ったのですが、あんまり面白いのでちびちび読んでいました。

ただ一言、歩ちゃん可愛すぎです。まあ実は僕と歩ちゃんの出会いはずっとずっと前に遡るようなんですが、今日気付きました。
2年生・3年生も早く読みたい。本当は余裕があったら大阪万博も欲しかったり。

末次由紀「ちはやふる・五」

※追っ払い当日に書いたのに下書き扱いになってたので今頃公開。

というわけで、クイーンとの初対決編。
音のしないかるたを描いていましたが、本当に素晴らしい。鳥肌が立つ場面が多かった。ギャグじゃなくて、ピンキリはあれど、みんな本当にもっと少女漫画に目を向けた方がいい。少年漫画とかマジでもう読む気が起きなくなる。

なによりこの漫画のいいところは、かるたで青春を過ごす高校生たちと一緒に青春を過ごしているような気分を、わずかでもくれるところですね。こんなにかるたが強い高校生は周りで見ないけど、とても近くで応援しているような気持ちにさえなります。

6巻も楽しみですね。

有川浩「ラブコメ今昔」

忙しくて、すごいゆっくり読んでいたのですが、まあ普通にずいぶん前に読み終わってました。
というわけで簡単にレビュー。

ラブコメ今昔

表題作。やはり昔の恋愛なので、いつも読むようなハラハラな感じには欠けます。でも最後の言葉はいい言葉だった。実際の自衛隊でも隊内結婚は増えているのかな。

軍事とオタクと彼

彼がいい子過ぎる。
エンディングどっちも可愛いなあ。

広報官、走る!

一番正統派だったと思います。面白かった。クジラの彼のトイレの話に似た感じのテイスト。

青い衝撃

ブルーインパルスストーカーと戦う話。
これは恋愛とはちょっと違う感じもするんだけど、結構個人的には上位。

秘め事

これも良かった。ただまあ若干広報官とかには劣るかなあ、展開がものすごくありがちだから。

ダンディ・ライオン~またはラブコメ今昔イマドキ編

いたっていつもの有川浩です。はい。

多分もう受験までほぼ図書館行かないと思う・・・・・忙しくて本なんか読んでられなくなってきた。

有川浩「阪急電車」

阪急電車・今津線を舞台とした恋愛小説・・・・・かと思いきや、「レインツリーの国」なんてレベルじゃなく、有川浩のラブコメのイメージを再構築させるような作品。

宝塚駅から西宮北口駅、そして折り返してまた宝塚駅に戻る形式で、それぞれの駅名が冠された章でお話が展開されます。
ともすろとオムニバスで、相当な人数が出てくるのかと思いきや・・・・・同じ人たちを絡めて展開していくわけで、非常に読みやすい。しかも最後は綺麗にまとまっていく。とてもおすすめです。

としかこの作品については言いようがないなあ。
明日「ラブコメ今昔」を借りてきますが、実際時間が本当に惜しくてたまらないので、これで最後だと思います。

有川浩「レインツリーの国」

本好きから出会った、聴覚に障害を持つ女性と健常者の男性のラブストーリーですね。
読み終わってからかなり経ったために、大部分忘れかかっているのですが、印象に残った部分を中心に。

一番印象に残っているのはメールのやりとりの部分。本文中で本人たちが言っているようにかなりの長文なんですよね。私生活で自分は長文メールをもらうのがとても生理的に苦手なのですが、それと同じ苦手オーラをこの作品では感じました。まあこれはそういう人もいるってだけで、作品の良し悪しじゃありませんからね。

まあでも二人が歩み寄っていくのは単純に良かったです。うん。終わり。

有川浩「クジラの彼」

読み終わったのは「レインツリーの国」の方が先なのですが、都合上こっちから先書いちゃいます。

クジラの彼

表題作。「海の底」の冬原の結婚話。
確かにまあ彼女はタフだなーとは思ったけど、そこまで面白い展開があったと言えるものじゃなかったかな。

でも相変わらず冬原さんかっこいいです。あとやっぱり海上自衛隊は本当に何かとスパンが空いて大変なんだなーと。

ロールアウト

トイレをめぐる戦い、としか言えないw
これは話の流れが既に面白い分、最後で恋愛につなげるのは無理があった気がする。最後の恋愛を除けばお笑い話として普通に面白いので、おすすめです。

国防レンアイ

自衛隊女性隊員の話。
これは、うーん。どうも受け入れられない雰囲気の作品。
この本全体の「ベタ甘」っていうコンセプトに合ってるかも微妙だし、やっぱり途中のエピソードとかで冷めちゃうんですよね・・・・・・。

有能な彼女

「海の底」の夏木と望の話の続き。
これはなかなか面白い話でした。年の差と彼女の有能さに感じる距離っていう話題は好みです。

脱柵エレジー

一番この本の中ではドライな作品かと。でも個人的には一番のお気に入りの作品。年齢的には下だけど、「国防レンアイ」よりも大人の恋愛を感じさせます。おすすめ。

ファイターパイロットの君

「空の中」の続き。
有川作品批判として耳に時々挟むのが、出てくる人物がどうもワンパターンで、他の作品の人物とかぶるっていうものなんですが*1、この「空の中」の光稀に関しては多分今のところダブる人物がいないと思われます。

まあそんな光稀の、むずむずするようなキャラが結構好きでして、それと彼女の強さも感じられるという意味では面白い作品でした。

今週中には「レインツリーの国」の感想の方も・・・・・・。

  1. 基本的にはデビューから長い間自衛隊を部隊に描いてきたので、特に女性のキャラ設定はダブりがちになっても仕方ない気がします。まあ少しこの頃は方向性が変わりつつあるようなので、それに期待したいものです [元リンク]

有川浩「空の中」

というわけで自衛隊三部作「空」。
正直、「海の底」を読んだ後じゃ簡単に揺らがないつもりだったんですけど・・・・・これまた困りましたね。

「陸」と「海」が自衛隊男子と普通女子の話でしたが、この「空」は自衛隊女子なんですよね。でまあ自衛隊女子って言って浮かんでくるのは当然、「図書館戦争」シリーズの笠原郁でして、まあこんなもんかなーと比較対象に置いておいたら、全然比べものにならない堅さ。

でもやっぱり強い女の子が時折弱くなるシチュ*1には本当にもう弱いです。死にました。はい。

SFとして見たら、間違いなくこの「空の中」が三部作最高傑作になると思います。
陸は見たら塩化、海は巨大エビが襲ってくるっていう内容で、まあそれらも確かに良くできたSFだなーと思いましたが、空の中に知的な存在がいるっていうのは、もうそんなレベルの妄想じゃ書けない*2わけで。しかもそれが人間的な未熟さと相まってくるんですね。知識がまっさらな高度な知能を高校生の少年が動かすという。作品としての完成度の高さは間違いなく、この「空の中」が随一だと言えると思います。

ただ、今回はそういう意味では完成度が高過ぎて、軽く読めるものではなかったですね・・・・・ページの多さよりも他の要素で、更に時間がかかってしまった気がする。「海の底」の方が分かりやすくて、もっと身近な子どもたちを描いていたので、作品全体の個人的な好みはやっぱり「海の底」かなという感じでした。

でも本筋は実際どうでも良かったりして。つまり瞬と佳江は実際どうでも良かったw 春名と武田三尉のやりとりがもうニヤニヤしっぱなしで。あとは最後はやっぱり宮じいかっけーなーくらいの。

元来本を読まないですし、読むとなるとスピード関係なくそれなりに時間を消費するので、読書はまた当分謹みます。
でも・・・・・最後に「クジラの彼」での「海の底」と「空の中」の後日談があるらしく、それだけ読んでしまいたい・・・・・。
あとやっぱり、自分は陸軍萌えであることを再確認しました。

  1. いわゆるツンデレとは違うんだな、これが。 [元リンク]
  2. まあ順番的には陸→空→海なんで、ちょっとおかしい言い方ですけど [元リンク]

有川浩「海の底」

というわけで、有川浩自衛隊三部作、「海」です。
まああの単刀直入に言ってしまえば、大満足でした。ロクに作品数読んでないのに、「いやー有川浩は塩の街でFAだろjk」とか言ってたのが恥ずかしい。

地方警察と国家機関である自衛隊とのプライドのぶつかり合いだったり、政治的な兼ね合いだったりがどろどろする中、潜水艦の中での子どもたちと大人2人。実際かなり欲張った作品だなーと思いました。その分、流れを追うのは大変で、急に視点が変わっちゃってて戸惑う場面もありましたし、何より登場人物が多かったですねー。

あと最後も最後で好きな終わり方でした。なんだかんだ言って、圭介と結ばれるのかー?とか思ってたんですが、自衛隊のお兄さんと恋する女の子が結ばれるという構図は、塩の街と同じですね。塩の街よりも僕はこっちの方が好きです。子どもたちが死んでもいいから、艦長が生き残って欲しかったと思いつつも、もうそれは叶わない願い、だから子どもたちは死なせない、それでもやっぱり艦長が・・・・・という深い葛藤があったわけですが、でもやっぱり色んな人の縁を取り持っていた艦長が嘆くぞという冬原の言葉は正しかったなと思わせるエンドでした。まああとは長く忍んだ恋が成就されるのも好きだったわけでもありますが。

あと残るは「空の中」ですねー。

森絵都「カラフル」

※「つきのふね」の書評は後回し、もしかしたら書かないかもしれません。

森絵都は僕の中ではやっぱり、「宇宙のみなしご」のイメージが強いんだけど、一般的にはこの「カラフル」が有名なようで、せっかくなので読みました。普通に飛行機の往復使っても時間が余る程度の分量でした。

言っちゃ悪いですけど、オチはとてもありがちなオチで、何も感慨はありませんでした。そういう意味で、結末の結末にはそんなに感動がありませんでした。展開もページ数の割には少し遅めに感じた部分がありました。ただまあこれは、物語の中ではかなり時間が経っているようなので、そんなに問題じゃないのかもしれませんね。

ただ、この物語の核心はそこに至るまでにあって、自分の罪だと分かる前に、真を気遣う「ぼく」のところなどは好きでした。

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森絵都「宇宙のみなしご」

児童文学で有名な方一人をあげるとすれば、この方の名前も出てくるでしょう。借りてきて2時間経たないうちに読了しました。
分量自体は大したことないんだけど、なんだかもったいない気もしますねw
「宇宙のみなしご」は日能研のテキストの特別問題のような形で文章が載ってるのを見て、昔無性に憧れた記憶がありました。それから5年以上も経ってしまったのだから、時が経つのは早いというか、巡り合わせるのに時間がかかりすぎたというか。

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「恋は罪悪ですよ、そうして神聖なものですよ。」

書評カテに入れるけど別に書評じゃない。

今国語で「こころ」をやっています。去年読みましたね。この時の書評もありますが、1年経つと変わるなあさすがに・・・・・。自分が人間心理うんぬんよりも、社会とか世情に興味を持っていたことがよく分かる。気持ち悪いw

今は逆ですね。彼の嫉妬の気持ちと、Kを恐れる気持ちがとてもよく伝わってきて面白い。正直文学作品でありながら、高校生が皆使う教材とだけあって、テーマは深くても身近なんですよね。朗読をゾクゾク&ニヤニヤしながら聞いてました。ちょっと授業で扱うのがあっさりなのが本当に残念。もったいない。「こころ」を扱った色々な評論・文学研究ってどこかで見られないかなあ。

恋は罪悪ですよ!

有川浩「塩の街」

というわけで、ハードカバー版「塩の街」読了しました。

まあまず、前に読んだのが2006年7月28日*1ということでもう2年も前になるわけで。もちろん割と本筋すら覚えてなかったりするんですね。というわけでまずは本編の方から行きたいと思います。今回はいつもよりもマシな書評をする予定だけど・・・・出来るかなー。

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  1. なんか書評カテゴリに入ってはいるけど、それにしてもひどい書評だ [元リンク]

角田光代「キッドナップ・ツアー」

今となっては有名な直木賞作家である角田光代が、その昔書いていた児童文学の一つで、中でも有名なのがこの一冊でした。僕は中学受験時代に出会って、いつか読みたいと思っていたのですが・・・・・まさか筑駒の文化祭で会うこととなるとは思いませんでした。ダメ親父と賢い娘・ハルの数日間の旅。

でまあ読み終わったのは先週の土曜日のことで、書評を書かなきゃ書かなきゃと思いつつ、書いてなかったのは単純に書きにくかったからなんですねw 本自体はなかなか面白く、正直児童文学もあなどれないなと思いました。主人公が小学5年生であることもあって、感情表現や状況説明が豊かなんですよね。それでいてすごい難しい単語は勿論出てきませんでしたが、これを小学校中学年に読ませるとなると、少しきついかもなーと思いました。

最後の最後までダメ親父なんですけど、この作品の一番最後の方の、ハルがお父さんに文句を言ったのに対しての言葉がとても心に残っています。

「お、おれはろくでもない大人だよ」

「だけどおれがろくでもない大人になったのはだれのせいでもない。だれのせいだとも思わない。だ、だから、あんたがろくでもない大人になったとしても、それはあんたのせいだ。おれやおかあさんのせいじゃない。おれはあんたの言うとおり勝手だけど、い、いくら勝手で無責任でどうしようもなくても、あんたがろくでもなくなるのはそのせいじゃない。そ、そんな考えかたは、お、お、おれはきらいだ」

「きらいだし、かっこ悪い」

「責任のがれがしたいんじゃない。これからずっと先思いどおりにいかないことがあるたんびに、な、何かのせいにしてたら、ハルのまわりの全部のことが思いどおりにいかなくてもしょうがなくなっちゃうんだ」

もちろんこれが実生活で応用は出来ないんだけどw ただ、お父さんが何を伝えたかったのかは分かるし、どう生きているのかってのも分かる。何よりそれがハルに伝わったのがいいことです。

ちょっといい児童文学があったらまた読んでみたいです。
あと・・・こうやって引用をしていると気がつくんですけど、児童文学の文字種の使い分けってすごいですね。ちょっとこれからはこういうのに注意してみよう。もちろんこのキッドナップツアーも、また何度も読み返してみることでしょうし、注目して読めるんじゃないかな。

綿矢りさ「夢を与える」

もらってから日は経ちますが、「夢を与える」読了しました。
まあいろいろ書きたいことはありますが、すごい難しいですね。本当にいろんなことが絡み合っている気がします。
こんな素晴らしい本を何ともなく下さった先輩に感謝いたします。ありがとうございました。

前に読んだのが「インストール」だったので、色々とギャップがあります。前ほど面白おかしい文体でもないですしね。作品全体に広がるのは、どんよりとした暗い雰囲気。息抜きみたいなところはありますけどね。
そして何より「夢を与える」というタイトルから想像するものとは逆の、徹底的なバッドエンド。インストールはおかしな形ではありましたが、ハッピーエンドでしたもんね。

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秦建日子「チェケラッチョ!」

図書館で借りてちょっと読んでいたら、あっという間に読み終わってしまった。最近こういうのが多い。

感想?うーん、中身はないんだよね、正直。面白いんだけど。ただまあ焦点がやはり唯の恋愛に来ているわけで、映画のようにラップが重視されているかというと全然そういうわけではなくて、井上真央のインタビューにあった通りかなり違った物語といえる。正直セックスについて考えているだけじゃないか?と思うくらいである。でもこれもこの作品通して言われている大きなテーマの一つだとは思うけどね。

個人的にはこの小説の中では哲雄のキャラが好きです。非常に彼は頭がよく、透や暁の発言が唯を傷つけると思ったら、きちんと制止しているんですね。そして自分の恋が実らないこともきちんと分かっている。かなり自分の中ではツボです。こういうキャラいいよね。

あとはノルウェイの森・下巻とスプートニクの残り。